粗大ゴミの山
男は駅前のビデオショップに足を向けました。
ビデオショップの中はこったがえし、若い客のほかに、男のような中年も多いです。
男は男なりに感傷的になっているのか、戦争直後に見た懐かしい洋画を何本か借りました。
商店街も住宅地も弔旗をたてる店や家はまれです。
帰り道、道路端に粗大ゴミの山が溢れています。
"なんと、真新しい物が惜しげもなく捨てられるのか"と、男は戦争直後の事を思い出し、ついゴミの山の前で足を止めました。
テレビ、洗濯機、冷蔵庫、それに豪華なソファーやベッドに混じって、まだ乗れそうな自転車が2台も押しつぶされています。
"贅沢な。いつか罰が当たるぞ"。
・・・男は言いようのない腹立たしさと空しさを感じたのです。