太陽のような父親 2
「俺は父の最期の言葉への返事を言うべきではなかったか」・・・。
玄関に父が行きつけの焼き鳥屋の主人が"線香をおあげしたい"と、店を閉めてからやって来ました。
「お好きでした焼き鳥を精進落としに、ご仏前にお供えしたいと思って」。
線香をあげ、手を合わせてくれている焼き鳥屋の主人の後ろに座って男は忘れていた言葉を父の写真に小声で言いました。
「いい親を持てて幸せでした。
親父がわが家の大黒柱でみんな幸せでした。
あなたが親でありがとう。」
平成元年の初日、男はいつもの日曜日と同じように昼近くまで寝坊して、テレビをつけました。
日曜日のささやかな楽しみはテレビなのですが、テレビはきのうと同じ追悼番組一色です。