太陽のような父親
3人の子と2人の孫、そして少々の財産・・・。
"母を頼む"とも"遺産をこう分けたい"とも、何も言わなかった父と、聞かなかった家族・・・。
父はみんな安心して何も言わなかったのでしょうか。
「それは、あなたたちへの勲章よ。よくしてくれた、いい人と巡り合ったという・・・」
嫁いだ姉は母と男と弟の妻に声をかけました。
「人の人生は最期で決まる」と言っていた父は、自分の人生に満足して死んでくれたようです。
男はふと、昔、父が読んでくれた『イソップ物語』の「北風と太陽」を思い出しました。
「何も細かいことは言わなかったのですが、気付かない間に、家族を大きく温かく幸せにしてしてくれていた。親父は、あの太陽だったのではないか」・・・。
男は、深い悲しみの中で愕然としました。