日本人好みの草花2
日本人の国民性のいちじるしい特色は、下層階級でもみな生来の花好きであるということだ。
気晴らしにしじゅう好きな植物を少し育てて、無上の楽しみにしている。
もしも花 種を愛する国民性が、人間の文化生活の高さを証明するものとすれば、日本の低い層の人びとは、イギリスの同じ階級の人達に較べると、ずっと優って見える。
」(三宅馨訳『江戸と北京』広川書店)幕末時代に、日本では花卉文化はこの証言のように社会の最低層まで浸透していたのである。
ここで比較の一方の相手であるイギリスの状況は、基本的には現在でもあまり変わっていないように私には感じられる。
私はエジンバラとロンドンのキュー植物園のシャクナゲ類の満開期に訪ねたことがある。
それは世界に著名なシャクナゲのコレクションで、管理もゆきとどき、すばらしい光景である。
ヒマラヤでも、こんなにみごとに花の咲きそろった、いろいろのシャクナゲが並んでいるさまはまず見られない。